杉山検校遺徳顕彰会での実技3

 そして実技なのですが、11月初旬の段階で定員の20名に達しているという話でしたから「ほんまかいな!!」とこちらのほうが疑ってたのですけど、スタッフの中にも受講登録があったと言いながら申し込みは確実にオーバーしていたということで、嬉しい悲鳴でした。

 当日になって3名欠席が出たものの、飛び入りで学生が入ったり漢方鍼医会からも中条先生が来てくれていたので、しっかり数えていませんが20名以上が受講してくれました。ということで、来年2月の伝統鍼灸学会小委員会でまたお会いする先生には受講を遠慮してもらったのでありました。

 滋賀の山森先生が3月に大阪でイギリス人相手にセミナーをしたときに通訳をしたという人、別件で会館へ来られたらしいのですがポスターを見て挨拶に来てくれました。ツーショットで写真撮影も。会場もある程度見られていたみたいです。

 最初は講義ということで、新型コロナにまだ振り回されていますから「ブロークンハート症候群」のパンフレットを使っても話をして、モデル治療のときには深く息が吸えるようになった姿がはっきり目で見えますから、これが一番のおみやげになってくれたのではないかと思っています。

 基本的に全員に実技を受けてもらい、菽法脈診の指の動かし方では勝手に脈の幅を狭くしているので、最大限に広く脈診することを訴えました。基本的な自然体では肩上部が緩み、呼吸が深くなり臍下丹田に重心が来ること、視覚障害者の受講生も姿勢が悪いのにはこれはちょっと困りましたが、ていしん治療が効果を発揮する基本中の基本であると説明したことには納得をしてもらえました。

 衛気・営気の手法を腹部で臨床的修練として実践してきたのですけど、変化の大きさには何度も驚嘆の声が出ていました。「力押しでの治療は逆に効果が出ない」と講義していたのですけど、実演することができました。

 モデル治療にはぎっくり腰がいて、最後に円皮鍼を正常と固くなっている筋肉の境目へ打ち込むことにより、流注が擬似的に回復するので瞬間的に痛みが劇的に軽減できることも実演できました。