事実が先にある

 昨日の見学の話にちょっと戻りますが、いつもうちの助手たちには口を酸っぱくして言い続けていることであり滋賀漢方鍼医会の会員にも毎度のセリフとなっているのですが、事実が先にあって診察はこれにあわせるものということを繰り返していました。

 臨床現場になると大抵は一人で治療をするものですから、どうしても自分の感覚で捉えたものに現象を合わさせてしまおうという発想が、ついでてしまうものです。例えば「これは滑脈のはず」のように。

 しかし、事実の方が先にあります。事実と合わない時には自分の感覚の方を修正すべきなのであり、その修正の積み重ねが正しい治療を効率的に素早く導いてくれるようになります。

 その点でいえば、「ていしん」による治療は代表例ですね。