肺病での治療

 インフルエンザがそろそろ流行しているようで、今日はいきなり肺病・左前谷という組み合わせの治療が多くありました。

 これは私のカルテ記入の法則ですから一般的ではないのですけど、肺病は肺経を邪気論で治療しているという意味です。左前谷は文字通り小腸経の前谷の左側を用いたということで、邪気論ですから栄気の手法です。陽谿から治療しているということで、数脈だったということも読み取れます。

 池田先生に教えていただいた気血津液論の弱点として、肺虚証では陽実証か陽虚証しかなく、肺経の陰虚証は肝虚肺燥証ということで症状が固定されてしまいます。

 しかし、邪気論だと肺病は陰虚タイプでも用いることができ、数脈で陽谿からの治療も可能となり柔軟に運用できます。風邪の時には数脈になっていることがほとんどであり、けれど服薬して陽実という状態でないものの方がむしろ多いのですから、こういう治療ができるようになって本当に便利になりました。