細菌とウィルスとマスク

 新型コロナウィルスの話題はどの患者さんでも出ており、毎日必ず「マスクを着用しても感染防止にはならない」と説明するのですけど、そもそも細菌とウィルスの違いを素人さんでは知らないのです。

 ウィルスは細胞壁も持っていない生物かどうかの分類すら難しい存在のもので、増殖しやすい宿主に付着するとDNAのコピーを作っていくだけで分裂はしておらず、したがって自分で移動したりもできないのです。塵や埃と同類なのです。

 そしてウィルスの大きさがパチンコ玉やビー玉くらいだとすると、細菌はバスケットボールやラグビーボールくらいあって、直径で300倍以上堆積だと軽く10000倍以上も大きさに違いがあります。そこまで小さなものですから市販マスクなら通り抜け放題なのです。まして手作りマスクで予防できるなどと思われたなら大間違いで、ガーゼで防禦できるのはせいぜい花粉くらいです。

 マスクが効果的なのは他人へ感染を広げないというところで、ウィルスや細菌は咳やくしゃみのときにつばに混在して吐き出されますから、先程の比較から言えばつばの大きさは大型トラックやジェット機並みということになります。花粉でも軽自動車くらいにはなりますから、これだけ大きさに違いがあるのですからマスクでは細菌もウィルスも感染防止にはならないのです。

 それなのに品切れがわかっているのに毎日早朝からドラッグストアに行列ができているのは、何なのでしょうね。肌寒い空の下に長時間立っている方が、体調を崩しかねません。そんな単純なことが、どうして理解されないのでしょうか。