見逃されている亀裂骨折

 夕方の新患さん、主訴は三週間前の寝違いから首の痛みが取れないということでしたけど、脈状から亀裂骨折があることがすぐわかり仰臥位のままでの触診だけでも場所が確認できます。

 「残念ながら想像以上の重傷のようです」と説明しながら、座位で打診すると見事に響くのであり、その他の「こんな風になっているでしょう」という質問もすべて当たっていますから、信用はこの時点でしてもらえました。

 標治法の時に脊中の亀裂骨折は今年に入っただけでも四つ目だと話していたのですけど、その他も合計すると今年だけで七つ目の亀裂骨折であり、それほど骨がもろくなっているのでしょうか?

 それよりもっと恐ろしいのは、画像診断でわからなかったものが半分ですから世間ではもっともっと多くの亀裂骨折が痛い状態でそのままになっていることです。亀裂骨折自体に接骨院も整形外科も気づこうとさえしていないのですから、これはなんとかマスコミベースで発表をしていかねばならないことです。

 でもでも、瀉法鍼があれば処置はそれなりの経験があればできることなのですけど、情報を出しても取り組もうとしてくれる鍼灸師がどれだけいるでしょうか?たとえば整形外科の医者で興味を持つ人がいたとしても、瀉法鍼が使いこなせるでしょうか。接骨院の診察レベルはしれたものですから、何でもかんでも亀裂骨折に分類して通院を強要しないでしょうか。問題山積です。