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 その「虚実」や「補瀉」について、漢方鍼医会の中で突然ゾンビのように復活してきたのは大阪漢方鍼医会が出してきたじゃ奇論の治療からで、虚実を見極めないと邪のありどころがわからないというところだったからでしょう。

 病因へ直接アプローチをしていくという点で、邪気論の治療は明治以降の鍼灸の世界を打ち破りました。しかし、病因へのアプローチを主張している流派がなかったわけではなくそちらではごく当たり前のものだったのを、生気論主体のところへ持ち込んできたというのが画期的だったのです。

 この点があまり漢方鍼医会内部でも理解されておらず、どちらかが主軸ということで二つを一度に乗りこなすようにという動きが出せないところが今の混乱になっているのでしょう。もう少し悪口を書けば、横やりで新しい手法をというのもあります。

 そんな中で、邪気論を言い出した森本先生が虚実・補瀉に関する文章を連載の中で書いていたのです。そのまま転送することができないのがなんとも残念ですが、許可はもらったので少し駆風をして会員へ届けたいと思っています。